ゆとり教育について (其の四)

ゆとり教育が少しずつ始まった1977(昭和52)年頃までは、「鉄は熱いうちに打て」の諺のように、特に中高生時代は、学力を中心に精神まで鍛えてやろうとする傾向の教育があった。 この頃までは、大都市以外では、中高生男子の丸刈り頭を校則にした学校が、かなりあった。 

これが、徐々に緩くなり、「生徒のしたがらない事はさせない。 好きな事をさせよう。」と強制が排除され、生徒の自由意志を尊重する(甘やかせる)方向へ進んだ。 この傾向が大きくなるにつれ、生徒の学力低下、いじめ、不登校、高校中退が増えた。 さらには就職してもすぐ辞める。 あるいはフリーターのままで結婚できない若者も増えた。 もっとも、この件は、企業の海外移転、雇用情勢の悪化などが大きな原因だが、社会に出るまでに学校で鍛えられず、考え方の甘いままの若者にも一因があろう。

公立小中学の「ゆとり教育」の一面として、例えば、授業を妨害する増長した生徒を叱らず、対応がゆるいとよく耳にする。 向上心の旺盛な生徒や、教育熱心な親は不安になり、学校の不足分を補うため塾へと向かい、遂には見切りを付けて私立中へ向かうようだ。

文科省や日教組が進める「ゆとり教育」に賛成していない生徒や親も多いのではないか。東京都の千代田区や中央区では、同年齢層の4割が私立中の生徒である。

「ゆとり教育」が始まる前の状況は「管理教育」や「詰め込み教育」と呼ばれることが多いが、この「管理教育」こそ、日本の驚異的な経済成長の一因であるとして、1970年代から欧米はじめ多くの国が注目し、お手本にし、取り入れて成功している。 逆に、欧米で行き詰った「ゆとり教育」を日本が取り入れて、今日の姿である。

因みに、1976(昭和51)年の不登校率は小学0.03%、中学0.17%、2007(平成19)年のそれは、小学0.34%、中学2.91%である。 私立小中を除き、公立小中だけなら、もっと高率になる。

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