ゆとり教育について (其の三、続)

高卒資格を容易に取得させる配慮(かなり、いい加減ではあるが)があり、気が紛れる居場所と似たような仲間との出会いがある「ゆとり高校」は、中学までの不登校、高校中退の生徒にとって、一つの救いである。 家に引きこもるよりは良い。

 ただ、殆どハードルのない入試で集まった生徒は、学力だけでなく生活習慣その他多くの問題を抱えているはずで、世話する側も大変だろう。 小学校低学年の読み書き計算が不充分な高校生は今は珍しくないが、どう教えるのだろう。 非行問題があっても不思議ではない。 また、通信制の場合、在籍したまま、長期間顔も出さない高校生もいるようだ。

 次に、2名の同級生の例がある。

①O君とM君は両名とも、平成10年3月公立中を卒業し、4月に私立の底辺校に入学した。 O君は福岡D高(福岡市南区)、M君はS高(福岡市西区)。 入学して1ヶ月のうちに両名とも退学した。

②O君は中退直後、中学浪人として学寮修学舎に入寮した。 もともと、単位制、通信制の「ゆとり高校」に移る気であったが両親に阻止された。 翌平成11年4月、進学校の私立O高校に入学。 成績優秀で、3学年のすべての学年で授業料が還付された。 毎日出席が当たり前で、中2・中3の長期不登校の経歴など、どこかへ吹っ飛んでしまった。 修学舎寮で約4年を過ごし、平成14年4月現役で早稲田大(商)へ入学した。

③M君は、中退してまもなく「ゆとり高校」の単位制、通信制のC高校に入学した。 M君と初めて会ったのが平成14年5月、応募の妹と面談中である。 その時点まで彼は入学して4年にわたりC高校に在籍していた。 深夜、早朝にディスコでバイトをしていたが、学業を怠けて、単位は殆ど未取得だと言う。 次のせりふに驚いた。 「オレ、推薦で大学行きたいんだけど。」 高校や大学をこれ程甘く考えている若者がいる。 「ゆとり教育」が生んだ若者である。

④O君は、早稲田大を4年で卒業。 現在公認会計士として東京で仕事をしている。 M君は、妹が修学舎の生徒にならなかった為、今どうしているやらわからない

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